コロナウイルス検査②

こんにちは!KOBAKURAです!

 もう正直「コロナウイルス」の話題はもう、うんざりと皆様は思われているかもしれません。私もそうです!しかし、おさらいで説明させてください!
前回PCR検査について説明しました。
今回は抗原検査について説明したいと思います。
ちなみに私はPCR検査を受けた結果、陰性でした。これで8月23日のベトナム渡航ができます。

抗原検査とは?

 政府は5月9日に、新型コロナウイルスを患者の検体から15分から30分で検出する「抗原検査」のキットを十三日に薬事承認する方針を発表しました。PCRによる検査が数時間かかるのに対し、医療現場で短時間で判定が可能になるため、検査態勢の強化に貢献しそうです。
ただ精度はやや劣るため、陰性が出た場合は、念のためPCRによる検査を実施する見通しです。承認と同時に保険適用とすることも決まりました。開発した製薬会社は「富士レビオ」です。四月に申請していました。

 抗原検査はインフルエンザ検査でも広く使われています。ウイルス特有のタンパク質(抗原)を狙ってくっつく物質を使い、患者の検体に含まれるウイルスを発見します。病院で鼻の奥の粘液を取れば、その場で調べられます。
現状のPCRでは、装置のある地方衛生研究所などに送って調べるため、患者が結果を知るのに一週間かかるケースもあるといいます。
ただウイルス量の少ない患者は陰性となる可能性もある。加藤厚労相は「見落としもあるのでPCRで補っていく。一番いい組み合わせで活用を考えていく」と述べました。その上で、救急医療や手術前など、直ちに判断する必要のある医療現場ではツールとして価値があるとの考えを示しました。安倍首相は抗原検査についてPCR検査の前段階として活用する考えを示しました。

 薬事承認された後、研究が進められ抗原検査の精度がどの程度のものか解明されていきます。

 抗原検査でのウイルス検出にはPCR検査よりも多くのウイルス量が必要であることから、一定の偽陰性が出る可能性がありPCR検査よりも感度が低いです。
このため、同キットの承認時には、抗原検査で陽性の場合はCOVID-19の確定診断とできる一方、陰性の場合は感染を否定できず、確定診断を行うためには医師の判断でPCR検査を実施する必要があるとされていました。しかし、その後の研究で、発症から2~9日目の症例ではウイルス量が多く、抗原検査とPCR検査の結果の一致率が高いことが明らかになりました。

 川崎市健康安全研究所は、3~5月に実施した行政検査検体のうち、発症日が判明している232検体についてRNA Copy数(ウイルス量)の分布を調査。発症2日目から10日以内の症例においては、8割以上の検体で1600copy以上、9割以上の検体で400copy以上のRNA Copy数が確認されました。
抗原検査キットの臨床性能試験では、同キットとPCR検査の陽性一致率は1600copy以上の検体で100%(12例中12例)、400copy以上の検体では93%(15例中14例)であったことから、発症2~10日の症例については抗原検査で検出するのに十分なウイルス量を有すると報告しています(外部リンク)。

 東邦大学医療センター大森病院の院内陽性者15例を対象としたPCR検査と抗原検査の比較では、発症から9日目までの8例中7例で、両検査結果が一致した。国立国際医療センターにおけるCOVID-19入院患者の鼻咽頭ぬぐい液(保存検体)10例を対象とした調査では、発症から10日以内の6検体中、4検体でPCR検査と抗原検査の陽性が一致。自衛隊中央病院に入院し、発症後14日以内に検体を採取したCOVID-19患者に対する研究でも、保存検体の咽頭ぬぐい液でPCR検査陽性となった15例のうち12例において、抗原検査でも陽性と判定されました。

 抗原検査とPCR検査の結果に高い一致率が認められたとの研究結果を受けて、厚労省は「SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」を改定。発熱などCOVID-19を疑う症状の発症後2日目以降、9日目以内の者に対しては、抗原検査で陰性となった場合にも追加のPCR検査を必須としない方針を示しました(図2)。症状発症日(1日目)および発症後10日目以降の場合、また抗原検査で判定されたものの、臨床経過から感染が疑われる場合には、確定診断のため医師の判断でPCR検査を行う必要があるとしています。

図2 抗原検査後の対応(引用:厚生労働省「SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン」)

 無症状者に対する使用や、無症状者のスクリーニング検査目的の使用は、適切な検出性能を発揮できないため、これまでと同様に使用を推奨していません。ただし、緊急入院を要する患者で症状の有無の判断が困難な場合には、症状があるものと判断する。クラスターが発生している医療機関や施設などにおいて、無症状の濃厚接触者などに対する抗原検査も推奨していません。また、入院患者の退院判定についても、PCR検査との一致性に関するエビデンスが不十分であることなどから、抗原検査は適さないとしています。

 厚労省はガイドラインの改定と併せて、有症状者・無症状者に対するPCR検査と抗原検査の使い分けについての表を公開しています(図3)。なお抗原検査については、感度について十分理解した上で、医師の必要性の判断に基づき使用することとしています。

 PCR検査体制を圧迫しないためにも、抗原検査で迅速に陽性・陰性を判定するのは大事なことです。ただし、現時点では、抗原検査には鼻咽頭ぬぐい液を使用するため厳重な感染防御(PCR検査と同じ)が必要で、検体採取時の感染リスクが低い唾液PCR検査の方が使い勝手が良い医療機関もまだ多いのではないでしょうか。もし唾液での抗原検査ができるようになれば、現場での検査の状況は劇的に変わると思われます。

図3 PCR検査と抗原検査の使い分け(出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症にかかる各種検査」)

今後実用され検査数が増えればさらに解明されると思われます。

しかし、日本全体で個々がしっかりとした感染対策を講じることが大事なのは言うまでもありません。

医療体制が崩壊しないように、まだまだ努力していきましょう!

次回は抗体検査について解説します!