私は建設業を今年で21年勤めています。
この21年の中で建設業界もかなり変わってきました。
21年前仕事をし始めたときは偏見かもしれませんが、現場で働いている人は気が荒く、暴力的な人が多い業界だと感じました。
実際私が見習のころは毎日親方や兄貴分に怒鳴られ、蹴られとてもつらい毎日でした。
朝も早いし、夏は暑いし、冬は寒いし、雨や雪も関係なく仕事があるし、すごい怒られるし
すごい仕事だなぁと思いました。笑
しかし、仕事ができる職人はかっこいい!建物が完成した時の達成感!
それが当時の私にはそれが魅力的で仕事を続けていました。
相変わらず毎日罵声を浴びせてくる親方たちも仕事が終わればものすごく優しく、食事や遊びに連れて行ってくれます。(仕事中も少しだけ優しくしてくれればいいのに)笑
3年ぐらいたった時、入社当時からずっと違和感があったことを兄貴分に聞きました。
その違和感とは、本来お客さんである元請の社員さん(現場監督)をいつも親方たちは怒鳴りつけていました。なぜお客さんより親方は偉そうにしているのか?時には暴力も振るっています。私はなぜそんなことをするのか質問しました。
兄貴分は「使えないから普通のことだよ」「怒られるやつが悪いんだ」と答えました。
確かにその監督さんの計画は間違えばかりで、二度手間の工事ばかりでしたが経験も浅く仕方がないんじゃないかと思いましたが、当時の職人は仕事は「見て盗むもの」という意識が強く
丁寧に教えるということはない世界だったので当時の私は納得してしまいました。
当時の建築現場の権力のピラミッドを作るとすれば
頂上が現場所長(元請の最高責任者)
2番目が職人
3番目が現場職員(元請の社員)
長いものに巻かれるスタイルですね!笑
ところが数年がたち、リーマンショックが起きたころから建設業界のパワーバランスが崩れます。
当時、私は独立し2年目のころです。
公共工事は削減され、民間の建設投資も控えめになり全く建設現場が無くなってしまいました。
職人たちの意識も現場があれば仕事をさせてもらっていると思うようになってきました。
本来の姿に戻った感じですね。
現場職員との接し方も改善していき良好な関係を築けるようになってきました。
ただそれもつかの間、今度は元請の社員さん達が職人を罵倒するようになっていきました。
仕事をさせてやっているんだと言わんばかりに気に入らない職人を次々現場から退場させていきました。
当時の私は恐怖を覚え、常に行動、言動に気を付けながら毎日を過ごしていたのを覚えています。まあ普通の関係に戻っただけだと、相手はお客さんだから仕方がないと…
2020年現在建設現場の状況はあまり変わりがありません。
某大手ゼネコンの現場ではとてつもないパワハラが毎日行われています。
無理な作業を押し付けお金を払わない。
気に入らなければ退場。
元請の失敗は下請けのせい。
「俺の言うことが聞けないなら殴るしかないな!」など言われております。
一昔前の職人のしてきた事を、世代が違うから知らんぷりして私は関係ないとは言いません。
自分たちがしてきたことが返ってきているだけですから。
日本は今新型コロナウイルス感染拡大の為、緊急事態宣言が発令されています。
建設現場の中断、先延ばし等で仕事が全然ありません。
これ以上業界自体がおかしくならないよう祈るばかりです。
追記
大分偏った記事を書きましたが何の問題もない現場もいっぱいあります!
一部の現場とはいえ最近特にひどい話が多いので書きました。
どんな仕事でもつらいことは多々あると理解しております。