こんにちは!KOBAKURAです!
現在、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、政府ではなく都道府県ごとにいろいろな対策が施行され始めています。
その中でも毎日大勢の感染者を発表している東京都で飲食店を経営している友人の話です。
友人は東京都23区内で焼肉屋さんとバーを経営しています。久しぶりに電話がかかってきて話をしていたら、現在の厳しい状況を赤裸々に話していました。
東京都は、酒類を提供する飲食店とカラオケ店に、8月3日から31日まで営業時間の短縮を要請しました。具体的には午後10時から翌朝5時までは営業を控えろ、その代わり20万円の補償をする、というものです。私の友人は、はらわたが煮えくりかえった様子で話していました。
「ナメてるね。もう自粛も短縮もしないってみんな言ってる」
夜がメインの飲食店にとって「受け入れられるはずもない」
「2月から半年も我慢して、休業補償金50万円と持続化給付金はもらえたけど、家賃の足しにもならず、借金しながらなんとかここまでやってきた。それをもっと休め、あと20万やるって言われてもね。あと2か月休めば、借金もこれ以上できないし、どちらにしろ死ぬんだよ。1か月後に元に戻るという保証もない。もうね、普通に営業やっちゃうよ」
「4月と5月も結局、中途半端だったでしょう? 外には出るな、お金が出るのか出ないのか、仕事もやんなきゃいけないけど休めない。政治も会社もみんなズルズルとやって、お休みしなきゃいけない期間がどんどん延びる。7月頭には少し戻りつつあった渋谷のオフィス街のお客さんも、結局また在宅勤務で出てこなくなっちゃった」
バータイプの飲食店でカラオケもできるお店の方は、営業は普段19時頃からスタートし、営業終了は翌朝、というスタイルだから「時短要請など受け入れられるはずもない。仕事をするな、と言われているのと同じなんだよ。」
「バーは2次会・3次会のお店だから、22時からが本番。19時から22時まで営業しても、客がゼロの日もある。政治家の人は、うちみたいな吹けば飛ぶような水商売の店なんか、邪魔くさいとしか思ってないんだろうけどね。税金を真面目に払ってきたのがアホらしい」
どうしようもないから自粛も時短も休業もしない、というもはや「やけくそ」になるしかない状況に置かれた友人の話を聞いて、本当に私は聞くことだけしかできませんでした。
続けて友人は同業の知り合いの話をしました。今回の要請で廃業を決めた方の話です。「もう何もする気力がない」
東京都の東端、千葉県と隣り合う東京都江戸川区の居酒屋店主は、今回の都の要請を受け入れると同時に、廃業を決めたようです。
「地元の客や常連さんまで、千葉なら飲みやすいと言って隣の市川や松戸に行ってしまう。あくまでも要請でしょう?なのに、それに従わずに飲んでいると東京では悪者にされてしまう。最初は怒りもあったけど、なんとか乗り越えて、やっと夏休み…。多少は期待したんだけど、期待したから余計悪かった。もう何する気力がない」
調べたところ東京だけではなく、大阪や愛知でもそれぞれ独自の「時短要請」を行なっており、やはり20万円ほどの補償が支払われるが、そんな額ではどうにもならないと悲鳴が上がっています。私たちの生活から「夜の街」が、そこで楽しむという文化が、本当になくなってしまうかもしれない瀬戸際だと思いました。
友人は本当に努力し飲食店での経験を積み独立し、ようやくお店を出店しました。今から5年前、2015年に開業し順調に常連さんも増え、これからという時にコロナウイルスで一気に状況が変わりました。私は友人には何も言えることがなく力不足を感じます。何かできることはないかと模索しても何も浮かびません。
時短要請に従わない飲食店に嫌がらせなどがないことを祈るのみです。